藤沢本町で義経と弁慶をめぐる歴史散歩に出かけよう!

日本史における悲劇のヒーローといえば、みなさまは誰だと思いますか?
真田幸村、白虎隊、古くはヤマトタケルなどの名前があがるかもしれません。

しかしおそらく誰もが一番に思い浮かべるのは『源義経』ではないでしょうか。
彼は鎌倉幕府を築いた源頼朝の弟。平家との戦いで大活躍をしたにも関わらず、その人気の高さのせいで実の兄から謀反の疑いをかけられて自害に追い込まれた悲劇のヒーロー。

今回はそんな義経と、彼の重臣である武蔵坊弁慶の縁の地が藤沢本町にあると聞き、さっそく行ってきました。

源義経公を祀る神社、白旗神社

まず向かったのは白旗神社。
青空に映える白い大きな鳥居が美しい神社です。

この神社の神様は二人いて、一人が『相模国一宮』で有名な寒川神社の神様『寒川比古命(サムカワヒコノミコト)』。そしてもう一人が源義経公です。
敷地内には義経公に関連したスポットがいくつかありますので、ひとつひとつ巡って行きましょう。

堂々たる義経弁慶の像

参道を進むとすぐ左手側には手水場があります。
たくさんの風鈴が下がっていて、まだ暑さの続くこの時期にステキな演出ですね。
そしてその反対側には義経公と弁慶の像があります。

青空をバックに馬にまたがり弁慶を振り返る義経公と、薙刀を携えて主につかえる弁慶。
まさに勇猛なヒーローとその忠臣のイメージ通りの像です。
ここは写真スポットのようで、みなさん二人をバックに記念撮影をしていました。

義経公が白旗神社の神様になったわけ

参道を先に進むと階段の上に神社の社が見えてきました。
両脇には幟が立ち並び、社紋である源氏の『ササリンドウ』が描かれています。

それにしても、なぜここ白旗神社の神様は義経公なのでしょう?
その理由は階段の下の碑にありました。

こちらは『齋源義経公鎮霊碑』。

兄頼朝から謀反の疑いをかけられて追われた義経公は、最後には裏切りにあって奥州平泉で自害しました。
遺体は宮城県栗駒町の地に葬られましたが、首は鎌倉の腰越まで運ばれて身元確認をされた後に浜に捨てられてしまいました。
そのとき不思議なことに潮が逆流してこの白旗神社の近くまで流れ着き、心優しい地元の人達によって洗い清められ、葬られたそうです。

この石碑は義経公没後810年であった平成11年に、宮城県栗駒町の有志の方々と『御骸』と『御首』の霊を合わせる鎮霊祭を行った記念として建立されたものです。
白旗神社と義経公にはそんな繋がりがあったんですね。

まるで兄弟のよう!?弁慶藤と義経藤

階段を登って拝殿でお参りをしたら、参道の途中から左の脇道をくだって社務所前に出ましょう。
ここには『義経藤』と記された立派な藤棚があります。

広場の奥には、これまた立派な『弁慶藤』と呼ばれる藤棚も。
弁慶藤の見頃は例年4月下旬〜5月上旬。
花房が長く見応えがあるそうで、力強い弁慶のイメージ通りですね。

義経藤は弁慶藤の後に咲き、花の色は源氏の旗色と同じ白。
清廉潔白なイメージのある白は、悲劇のヒーロー義経公にピッタリな気がします。
花の時期にはぜひ見に来たいですね。

白旗神社を満喫したら、近くにあるスポットへも足を伸ばしてみましょう。

義経公を清めた伝承の井戸へ

鎌倉から藤沢へ流れ着いた義経公の首を洗い清めたと伝わる井戸が残されています。
その名も『義経首洗井戸』。

なんとも物騒な名前ですが、なんと住宅地の中にあるといいます。
白旗の交差点近くにある信用金庫とマンションの間の細い道を進むとたどり着く小さな公園。
その右奥の木陰に静かに佇む井戸がありました。

説明文はありましたがとても簡素なもので、何も知らなければ見向きもしないでしょう。
でもこの井戸の由来を知っている人ならば、木陰で静けさに包まれているのを見ただけで少しドキッとしてしまうかもしれません。
いつもよりちょっと丁寧に参拝してから次の場所へ向かいました。

木々に囲まれ当時に浸る『辨慶塚』

バス通りに戻って藤沢方面へ進み、彩美館という公民館の脇からまた小道を進みましょう。
公園の奥にある階段下に『辨慶塚』とだけ書かれた小さな看板が立てかけられています。

階段を登ると鬱蒼と茂る草木を背に小さな木の社に守られた石碑が一つ。
掘られた文字は風化して読みにくくなっていますが、これが『辨慶塚』です。

ここは常光寺というお寺の境内ですが、かつては弁慶を祀る八王子社があったそうです。
辨慶塚が義経公をまつる白旗神社の方角に向けて建てられていると聞くと、主を思う気持ちの強さを感じてしまいますね。

あたりは木々に囲まれ人の姿もなく、セミの声だけが響くようなひっそりとした場所。
まるで時代に取り残されたような空間で、当時の様子を想像しながらお参りをしました。

藤沢本町でめぐる義経と弁慶の歴史散歩、いかがだったでしょうか。
ご紹介した3つのスポットの位置はこうなっています。

今回の訪問で改めて、地元藤沢には貴重な歴史の遺産があるんだなと感じました。
みなさまも歴史の記憶をたどって一度訪れてみてはいかがでしょうか。

白旗神社
住所:神奈川県藤沢市藤沢2丁目4−7
TEL:0466−22−9210
アクセス:小田急江ノ島線『藤沢本町』駅より徒歩7分

義経首洗井戸
住所:神奈川県藤沢市藤沢2丁目1−10

辨慶塚
住所:神奈川県藤沢市藤沢本町4丁目5−21(常光寺境内)